水道水
2011年3月22日に採水された東京都の水道水で、
乳児の摂取制限に該当する100Bq/kgを超過する濃度の
放射性ヨウ素が検出されました(Bqは放射能の強さを表す単位のベクレル)。
福島原発の放射能漏れの影響が東京まで到達したという事実と、
人体に影響が出る可能性があるというニュースに、
一般市民は激しく動揺し大規模な混乱が起こりました。
それまで当り前に使っていた水があたかも毒と化したかのように感じられ、
水道水を使用することに恐れを感じた人もたくさんいます。
また、このニュースの直後には
スーパーやコンビニ、自販機まで、ありとあらゆる所から水が買い占められ、
まったく水が手に入らない状態が続きました。
このため、抵抗を感じながらも水道水を使うしかなかった人が大勢います。
また、運良く水を何本か購入できた人も、
日常の水すべてをペットボトルの市販水でまかなうことは到底不可能です。
飲んでいはいけないとなった乳児がいる家庭の深刻さは、
相当なレベルに達したと思います。
母乳で育てている赤ちゃんなら、
それを与える母親が飲む水をどうするのかも心配です。
また乳児が摂取してはいけない水を、
幼児に飲ませることができるのか、
小学生の子どもなら大丈夫なのか。
誰も明確な答えを出してはくれません。
中には、あまり神経質になってもよくないという意見もあります。
ただ、放射能などの有害物質は目に見えるわけではなく、
その影響がどのような形で表れるのか誰にもわかっていない現実に、
子ども持つ親としては大らかに捉えることはなかなかできません。
現在も、茶葉や野菜などで放射能が検出されたことがニュースになるように、
福島原発の放射能が完全に処理されるまでは、
水道水に対する安全性の確保ができたとはいえないのではないでしょうか。